1)神道ってなに?
神道とは、山や川や森などの自然現象や森羅万象に神が宿ると考える、日本独特の信仰形態のことです。祭祀の場所は神社であり、祭儀は宮司が取り仕切ります。
仏教が【菩提寺と檀家】の関係を確立したように、神道では【氏神(うじがみ)と氏子(うじこ)】という関係があります。
その土地の古い先祖たちは33年を過ぎるとホトケからカミになり、村の神社で祀られます。この村のカミのことを「氏神」で、その村に住んでいるもののことを「氏子」と呼びます。

2)明治から始まる神葬祭
神道は、仏教が伝来する以前から日本人の暮らしの中から醸成されてきた信仰形態ですが、明確な教義や教団があったわけではないので、教義や儀礼などがはっきりと明文化されておらず、民衆たちの生活の中での自然崇拝をゆるやかに体系づけていったと言えるでしょう。
神道が体系化され権威づけられたのは明治期でした。
仏教が国教であった江戸時代に対して、明治政府は天皇を中心として神道の国教化を計ったのです。
これまでの民衆の死者供養は仏教が担って来た役割だったために、当時の政府は急いで神式の葬儀(神葬祭)を公認し、神葬祭墓地を造りました。現在もある都営の青山霊園、雑司ヶ谷霊園、染井霊園はこうした流れの中で設立された霊園なのです。

3)神道のお墓の特徴(形状篇)
神道のお墓は、仏教を否定する形で登場した神葬祭の流れを汲むものであるために、一目で分かる仏教とは異なる特徴が求められました。ここでは、神道のお墓の形状の特徴をまとめてみます。

【仏石の先端が尖っている】
神道墓の一番の特徴は、軸石(家名などが刻まれている石)の先端が尖っていることです。こうした形状を「角兜巾(かくときん)型」と呼び、神道で重要視される三種の神器のうちの1つ「天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)」を表しているとされています。

【八足台と呼ばれる供物台がある】
神社や神事で用いられる白木の机のことを「八足案(はっそくあん)」と呼び、8つの足で造られているのが特徴です。
神道墓の供物台もこの形状にならった八足台にします。石に縦に切り込みをいれて左右で8つの足があるように見せ、この台の上に玉串を捧げます。また米や塩や酒や神饌(しんせん:お供え物の意)を供えたりもします。

4)神道のお墓の特徴(名称篇)
【奥津城(おくつき)】
神道ではお墓のことを「奥津城(おくつき)」と呼びます。「奥城」「奥都城」と書いたりもします。
たとえば、「鈴木家之墓」と彫刻するところを、神道では「鈴木家之奥津城」とします。

【男性は大人命、女性は刀自命】
仏教では死者に戒名を授けます。神道では「諡名(おくりな)」と呼ばれるものを墓石に彫刻します。生前の名前の下に、男性なら「大人命」、女性なら「刀自命」と名付けます。
「山田太郎大人命」「鈴木花子刀自命」といった具合です。
諡名は故人の年齢によってもさまざまな名称(彦命、姫命など)があるので、こればかりではありません。

5)神道のお墓の特徴(礼拝篇)
【原則的には、榊を供える】
神道の作法に則るならば、原則的に榊を供えます。
とはいえ、お花を供えても問題はないでしょう。

【お供え物は、洗い米、塩、酒、水】
神道での最も基本的なお供え物は、洗い米、塩、酒、水です。
これらを「瓶子」と呼ばれるお酒を入れる器や白皿に盛って供えるとよいでしょう。
その他、故人様のお好きだったものを供えても構いません。

【二礼二拍手一礼】
神道の基本的な礼拝作法は、二礼二拍手一礼です。
葬儀では「偲び手」と言って、音を立てずに手を叩くのですが、五十日祭を過ぎて忌が明けてしまえば、柏手(音を立てる拍手)をしても構いません。